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2008 年12 月15 日

サービサー法違反

13日付日経朝刊に「無許可債権回収貸金業者を起訴 大阪地検」という記事が載っていた。合計約70億円分の不良債権を額面の5%程度で買い取り約11億円を回収して約2億円の利益を上げていたから、無許可で債権回収業を営んだとしてサービサー法違反で起訴したというものである。

債権買取業者からの請求を受けたという相談はよくある。多くは既に時効消滅しているような債権を買い取ったとして請求が来るパターンだ。悪質な業者が多いという印象はある。しかし、サービサー法(債権管理回収業に関する特別措置法)違反というのはいかがなものだろう。

サービサー法が禁止しているのは、「債権管理回収業」を無許可で営むことであり(3条)、「債権管理回収業」とは、弁護士又は弁護士法人以外の者が委託を受けて法律事件に関する法律事務である特定金銭債権の管理及び回収を行う営業又は他人から譲り受けて訴訟、調停、和解その他の手段によって特定金銭債権の管理及び回収を行う営業をいう(2条2項)。そうすると、貸金業者から委託を受けて貸金の管理回収を営業として行うことが禁止されているだけであって、貸金業者から廉価で債権を買い取って自己の債権として回収することは禁止されていない。しかも、この場合は、債務者に対して金銭を貸し付けることもしないから、貸金業者としての登録も要しない。確かにこのように解するとすると、サービサー法の脱法行為を債権譲渡の名を借りて行う業者が多発することになると思われるが、法解釈としてはやむを得ないのではないのだろうか。それともどこか条文を見落としているのだろうか。

投稿者:ゆかわat 21 :31 | ビジネス | コメント(1 )

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